夏休み


私は東京から帰省し、

地元でゆっくりと過ごしていた



外では蝉が鳴いている



本当に大好きな人を失った私は

なんだか抜け殻のように
なってしまっていた


そして、彼が私のことを
好きでいてくれたという実感もわかない




ただボーっとして

自分の部屋の布団に寝転び

窓から見える雲の流れを見つめていた



家には母と私だけ



外で郵便のバイクが来る音がした