「おまえ知らなかったのか?」


「…」


「そっか、東京いたもんな」


「…」


「確かに葬式いなかった気がするわ」


「…」



一瞬、言葉の発し方を忘れた


何も言えなくてただ
喉の奥から微かな声が
漏れそうになるだけだ


そんな私の様子で

彼のことが好きだったと
悟られるのが嫌で


頭だけ下げてその場から去った