ようやく帰途につく私たち。降りしきる雨から防ぐためのジャンプ傘を開くと同時に、サクとやらがあっと声を上げた。
「どうしたの?」
「ごめん、今日傘忘れてきちゃったんだ」
まずったなあ、と苦笑するサク。
天気予報でも雨が降るといっていたのに、どうして傘をもってこないんだか。
「今日は学校が早く終わるって話だったからさ、降る前に帰れると思ってて…」
「……」
つまり、寝てて時間をとった私の所為…。
「あ、いや、違うよ? ミズキを責めてるわけじゃなくって、えっと…」
「いいよ」
「でも、本当に…」
「そうじゃなくて、傘あるから貸してあげる」
覚えていないとはいえ、助けてもらった恩返しくらい、させてほしい。
そういうと彼はおずおずと頷いた。
たしか普段から持ち歩いている折り畳みの傘が一つあったはず。
そう思って鞄を探ると……ない。いいやいや、そんなことないはず。と、おもってまた探すが、ない。
「うっ…」
青ざめてく私にサク君はどうしたの? と覗き込んでくる。
仕方ない。私は正直に言った。
「どうしたの?」
「ごめん、今日傘忘れてきちゃったんだ」
まずったなあ、と苦笑するサク。
天気予報でも雨が降るといっていたのに、どうして傘をもってこないんだか。
「今日は学校が早く終わるって話だったからさ、降る前に帰れると思ってて…」
「……」
つまり、寝てて時間をとった私の所為…。
「あ、いや、違うよ? ミズキを責めてるわけじゃなくって、えっと…」
「いいよ」
「でも、本当に…」
「そうじゃなくて、傘あるから貸してあげる」
覚えていないとはいえ、助けてもらった恩返しくらい、させてほしい。
そういうと彼はおずおずと頷いた。
たしか普段から持ち歩いている折り畳みの傘が一つあったはず。
そう思って鞄を探ると……ない。いいやいや、そんなことないはず。と、おもってまた探すが、ない。
「うっ…」
青ざめてく私にサク君はどうしたの? と覗き込んでくる。
仕方ない。私は正直に言った。