「嘘だー…」
「嘘じゃないよ」
隣のユズがのんびりと言った。
「雨が降ってきてね、どうしたかなって思ったらサク君が体育館から出て行って──」
続きをニヤニヤとサエが引き継ぐ。
「濡れたミズキを教室まで連れていったのよ!」
ガーン…。雷に打たれたように茫然とするしかない。本当にどうしたんだろう。
そこまでの記憶が本当にない。雨に濡れたらしいから、熱にでもうなされているのかな。
でも、何だろう。記憶にしてもこの状況にしても、どこか違和感がぬぐえない。
サエ、ミホ、ユズはいつも通り。つまりおかしいのは──。
「ん、なに?」
このポヤポヤと和やかでほんわりとした空気を醸し出すサクといったこの男しかない。
「私、君と仲良かったっけ?」
「はあ⁈」
声を上げたのは彼ではなく三人。いや、私としても失礼で変な質問だとわかっているんだけれど。
わからない以上、聞くしかない。
「えっと、これは僕はどう答えたらいいんだろう…」
困惑したように、こっちを見つめられても、私もあなたのことがわからないからどうしようもない。
「最初にサク君と仲良くなったのはミズキなんだよ?」
「そうそう、木の下にいるお仲間で仲良くなったって言ったのはミズキだったじゃない」
「私たちもだんだんしゃべる仲になったくらいで、先に連れてきたのはミズキだったのに」
「嘘じゃないよ」
隣のユズがのんびりと言った。
「雨が降ってきてね、どうしたかなって思ったらサク君が体育館から出て行って──」
続きをニヤニヤとサエが引き継ぐ。
「濡れたミズキを教室まで連れていったのよ!」
ガーン…。雷に打たれたように茫然とするしかない。本当にどうしたんだろう。
そこまでの記憶が本当にない。雨に濡れたらしいから、熱にでもうなされているのかな。
でも、何だろう。記憶にしてもこの状況にしても、どこか違和感がぬぐえない。
サエ、ミホ、ユズはいつも通り。つまりおかしいのは──。
「ん、なに?」
このポヤポヤと和やかでほんわりとした空気を醸し出すサクといったこの男しかない。
「私、君と仲良かったっけ?」
「はあ⁈」
声を上げたのは彼ではなく三人。いや、私としても失礼で変な質問だとわかっているんだけれど。
わからない以上、聞くしかない。
「えっと、これは僕はどう答えたらいいんだろう…」
困惑したように、こっちを見つめられても、私もあなたのことがわからないからどうしようもない。
「最初にサク君と仲良くなったのはミズキなんだよ?」
「そうそう、木の下にいるお仲間で仲良くなったって言ったのはミズキだったじゃない」
「私たちもだんだんしゃべる仲になったくらいで、先に連れてきたのはミズキだったのに」