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side 水嶋 匡
ブッブーブッブーブッブー……
携帯電話の振動音が机を伝ってオフィスに鳴り響く。
手に取りディスプレイを確認すると、学生時代からの付き合いがある柊 要だった。
「オレだ。」
「もしもし匡?
今、少しいい?」
「あぁ。」
車の中なのかクラクションの音やエンジン音が微かに電話の向こうから聞こえる。
「最近、女の子でも飼い始めた?」
「誰から聞いた。」
情報が洩れているのか。
いや、そんなはずない。
「実は、オレの彼女から友達が危険な目に合ってるかもしれないって相談を受けたんだ。
朝、見知らぬ男に学校まで送ってもらってたんだって。
で、その見知らぬ男の写真を送ってもらったらオレの見知った顔がそこに写っててもうびっくりしたよ。」
トシから報告があった件か。