「そうだ、あともう一つお願いがあるの。明日行きたいところがあるんだけど、付き合ってもらえる?」



ほんとは私を嫌っていそうなやつに頼むのは嫌だけど、やらないといけないし、一人では限界がある。


「んだよ。オレ、忙しんだけど。」


「仕事よ!!し・ご・と!!」


眠いのかだるいのか電話口からでもあくびをしているのがわかった。


「それとやってほしいことと、用意してほしいものがあるの。」



「オレ、あんたのこと認めてないけど?」


「あとでまとめてメールで指示するわ。」


「聞いてる?」


「あんたが別に私のこと認めてなくてもそんなこと関係ないわ。

ただ、これは私と社長の契約の一環よ。仕事なの。

あんたが拒むと社長の契約違反になるけど、いいの?」


「……ッチ。

わかったよ。」


「わかってくれて嬉しいわ。

じゃ、また後で。」


必要最低限の用事だけ伝えて、あとはメールで要件を送信した。