律の表情を見ると話そうかと一瞬過るが、話せばきっと力になろうとしてくれるだろう。
だけどやっぱりだめだ。
こんな危険なことに巻き込めるわけないし、心配かけたくない。
「やらなきゃいけないことがあるの。
でもそれを律に話すことはできない。ごめん……。」
「なんで……。」
「心配かけてるのはわかってる。
だけど本当に大丈夫だから。」
「そう……。
美紅が話さないっていうなら私にも考えがあるから。」
そう言い残して颯爽と出て行った。
取り残された私は去り際の律の表情が頭に残り、その場に立ち尽くしていた。