「美紅。単刀直入に聞くけど、さっきのあれなに?誰よ。

パーティも途中でいなくなるし、何かあった?」



屋上の真ん中で向かい合って話す。


律の表情はいつもの笑顔なんてなくて、真剣だった。



「律‥‥。心配かけてごめんね‥‥


だけど、律が思うようなことはなにもないから。」


真剣な律に向き合ってもなお言えなかった。


言わなくてもわかってほしい。


察してほしい。


お願いだから聞かないで。


これ以上踏み込んで来ないで。


だけど、助けてほしい。


気づいてほしい。


自分の要求するばかりで、私は相手に何か与えることができているだろうか。


答えは否。


どんなときでも自分の殻に閉じこもって、親友にでさえもこじ開けられない臆病者。


きっと私はどこまでいっても変われない。