「必要なものがあれば言え。用意する。」
「そうね‥‥。」
右手の人差し指と親指で自分のを顎を触り、左手で右手肘を支え、少し考える素ぶりを見せる。
「強いて言うならこの間私の家で壊した機械器具全てかしら?」
あの時のことはまだ根に持ってるという意味もこめて嫌味っぽく言ってみる。
「‥‥‥わかった。」
え?反論なし?
仕事道具だからとは言え、てっきり図々しいやつめとか一言文句でも言われるかと思っていた為、どう反応すればいいのかわからない。
「なんだその顔は。」
「私、あなたの事を理解できる気がしないわ。」
「どういう意味だ。」
言葉と行動とイメージが合致していなさすぎて、もうこの人がわからない。
「想像の斜め上を行くって言ってんのよ。」
「何が不満なんだよ。」
「別に〜。」
そう言いながら食べ終わった食事の後片付けをしようと、お皿やカップを持って立ち上がり流し台に運ぶ。