特に話すこともなく、静寂が流れ時計の針がチクタクと音を鳴らす音がいつもより大きく聞こえる。
「これ調べられるか。」
静寂を破ったのは、読んでいた新聞を四つ折りにしてとある記事を渡してきた社長だ。
記事には、袋に入った推定12歳の女児の白骨頭部が山奥にて発見した事件で警察は近くに住む25歳の男性を逮捕したと書かれていた。
一見、よくある死体遺棄・殺害事件のように見えるが……。
「これ……。」
男性は元”孤児院”の従業員で一年前に退職している無職と書かれていた。
孤児院という文字に引っ掛かりを覚えた。
「例の人体実験の件と何か関わりがあるかもしれない。至急調べて報告しろ。」
「わかったわ。」
共通点が孤児院っていうだけで何の確証もないけれど、この時社長も私も何か裏があると確信していた。