今、身に付けているパジャマを脱ぎ捨て。学校指定のセーラー服に袖を通していく。
スカートに足を通したら、チャックとフックを閉め、膝丈に調整していく。
また、黒のスクールソックスに足を通して服装を完成させる。
そのあと、ほとんど寝ぐせのついていない髪をブラシでとかしていき、血色のない唇にコーラルピンクのティントリップを下唇の右から左へスライドさせて色を乗せていく。
上唇にも少し色をのせて、下唇と上唇を合わせて色をなじませていく。
最後に変なところがないか全身鏡で確認し、支度は完了だ。
部屋を出てキッチンに向かい、真っ先に冷蔵庫を開いた。決して充実した中身ではなかったがパン、卵、牛乳と朝ご飯を作るには十分な程度だった。
帰りにスーパーに寄ろうと決心し、冷蔵庫を閉め、制服が汚れないようにエプロンを身に付け朝ご飯の為に調理していく。
焼きたてのトーストを人差し指と親指を使って素手でアチチッと言いながらつまんでお皿に乗せ、その上にボイルした目玉焼きを乗せる。
トーストの焼ける匂いと、コーヒーポットからのたてたばかりのほろ苦い香りがリビングにたちこめてきた頃、時計の短針が”7”を指したのを確認し、まだ起きてこないこの家の家主を起こすべきかに頭を悩ませる。