とにかく学校に遅刻しまいと準備を始める。


制服に着替えようとクローゼットを開くとそこには洋服やコートなどが丁寧にハンガーで掛けられており、下の方には下着や靴下を収納している引出しが備え付けられていた。


昨日、この家に来たときには既に前の家を引き払ったあとで、私の荷物を丸々そのままこの部屋に移されていた。


元々荷物が少ない方ではあったけれど、それでもひと部屋に自分の荷物が収まってしまう部屋の広さには脱帽したのと荷物まで運び込まれていたと知ったときのなんだか裸を見られたような何とも言えぬ恥ずかしさとで複雑な気持ちになった。

また、私が伊織に会っている間に全て手続き等完了してくれていたみたいで、その手際の良さには敬服致すところだ。


クローゼット内の一番右端に白地に赤いネクタイが施されており紺のスカートのセーラー服が収納されており、それに手をかけ取り出した。