「じゃあ…私が嫌いになったら…彼女をつくって」


「……え?」



「大樹くんに彼女が出来るまでは私…諦めないから」



意地っ張りな私が口を突いて出た言葉



「約束だからね」



何でその言葉が出たのか分からない


普通に‘諦めないから'でいいのに…


ただ…


家族として好きでいて欲しくないという

私の想いだったのかもしれない




「そっか…そんな約束を…」


「うん…」


「でも…それ大樹くんは覚えてないんでしょ?」


「うん…」


大樹は嬉しそうに私に報告してきた

覚えていたらあんな表情は見せないと思う



「じゃあ…なかったことでいいんじゃないの?」


「うん…そうなんだけど…」



正直、あの約束は私の賭でもあった


いつまでも大樹を想っているのは辛いから


大樹に彼女が出来たら私の想いは届かない


そう決意した想いを心に秘めてここまで過ごしてきた