「スッキリした?」


私が黙ったのを見計らって声をかける佳奈



「…グジグジするのは私らしくないしね!」


色んな想いは振り切って声を出す


「あのさぁ…」



「何?」


「小さい頃の約束って何?私、聞いたことないけど」


「…そうだね」



昔の約束をあまり思い出したくなくてこの話はしたことなかった


…私が昔した約束はいい話ではない

大樹が忘れているのなら好都合なんだけど…

でも…



「私が…小4ぐらいのときかな…」


一度だけ…一度だけ大樹に告白したことがある




冬の時期ー…


すごく…すごく緊張しながら…呼び出し場所で待っていた



しばらくしてマフラーに顔を埋めた大樹が寒そうにこっちに向かってきた



「…どうしたの?紗香ちゃん」

にこやかに微笑んで私の名前を呼ぶ大樹


寒いはずなのに外に呼び出す私に何も言わないのは、いつもの慣れか何かを感じ取っていたのか…


私はいきなり本題に入った



「私…大樹くんのことが好きなの!彼女にして!!」



心臓がバクバクして冬だというのに周りが熱く感じた



大樹の顔が見れない