「大樹はさ~…愛華ちゃんが好きなんだよね?」



「?好きだよ」



何当たり前のことを…

好きじゃなかったら付き合ってないし!



「ねぇ…大樹?」



「ん?なに?」




「私に足りないものって…何だと思う?」



紗香は枕に顔を伏せながら唐突にそんなことを聞く



「んー…ないよ」



「ふっ…正直に言ってくれていいよ。怒らないから」




「…本当に?」



「…本当」



紗香の様子がおかしいような気もするけど特に気にしなかった



「じゃあ…しいてあげれば怒ったときの顔が恐い」



「…そっか」



「…怒らないの?」



紗香ならいつも怒らないと言ったところでそれは嘘に近い




「怒って欲しいの?」



「いや…」



だけど、今は怒る時の雰囲気が全くないどころか紗香は薄く笑ってる


普段の紗香からは考えられない

これは裏があるのかも…




「…他には?」



「え!別に…」



「遠慮しなくていいから」




なんだなんだ?


なんのトラップなんだ?



「んー…俺に対しての扱いが酷すぎる」



「他には?」



「………」



何か恐いんだけど…



「…他には?」



「もー…ないよ…」



「…そっか」