そろそろ許してあげようかなと思っていた時…



「止めてください!!」


突如張り上げられた声



私は身体が跳ね上がった



「大樹くんが可哀想です!」


声を出したのは愛華ちゃん



「え……」


なに…?



「大樹くんが痛がっているじゃないですか!友達でも限度があります!そもそも暴力は良くないですよ!」


私を精一杯見据えてはっきりとした口調で私を叱る愛華ちゃん


その後、大樹に向き直り心配そうに見つめている


…正論すぎて何も言えない



私は呆然とその光景を見ていた


まさに、彼女の発言だ

その仕草から振る舞いまで彼女の特権であることを

まざまざと見せつけられた



「確かに紗香は暴力振るいすぎだよな~」



誠が何を思って口にしたのかは分からないけど



私には追い打ちをかけているようにしか見えなかった