校門に止まっても私は流星から離れなかった。

「瑠羽?」

「…」

「先に行っててくれ。」

その言葉とともにドアが開いた音がして、私と流星と運転手さんだけになった。

「佐山」

「へい」

「マンションに向かえ」

「へい」

マンション?

そんなことを思っていると頭に流星の手が乗った。

それは、私の頭をゆっくり撫で始めた。

落ち着く…とっても落ち着く…。

私は頭を流星の胸に擦り寄せた。

「結衣」

耳元で聞こえる声は私に安心を与える。

何も恐れることはない。

そう、言ってくれてるようだった。