『ドンドンッ!』

総長室の扉をバンバン叩く音が無駄に響く。

「どうした?」

「表に男が来た。」

琉貴の少し焦った声が聞こえた。

「直ぐ行く。」

「隼人ね」

「行くぞ。」

「はーい。」

二人並んで総長室を出て表に向かった。

静かな中で周りの奴から睨まれながらも平然と煙草を吸っているのは紛れもなく隼人だった。

「隼人」

私が名前を呼ぶとこっちに目を向け口角を上げて笑った。

私はなんの躊躇いもなく流星のもとを離れ隼人の胸に飛び込んだ。

「久し振り」

電話では言ってなかったけど半年は会っていない。

「あぁ」

二人で感動の再会のシーンに浸っていると…

『瑠羽さんが…他の男の胸に…』

『流星さんの女が…』

『総長の女に…』

などなどあることないことペチャクチャと言われているのが耳に届いた。