ヴァンパイア界から追放されてから、1週間。
ヴァンパイアに血を提供する事に慣れ、そういう進化をしてきた故郷の人間とは違い、人間界の人間はひどく脆い。
自分が空腹を満たすためには、どれだけの人間の血を吸わなければならないのか、考えただけで頭が痛くなる思いだった。
さすがに人の命を奪うのは少々抵抗がある。
かといって、このままでは自分も飢え死んでしまう。
「……くっそ……」
どうして自分がこんな目に遭わなければならない。
ちょっと規定より多く血をいただいただけだなのに。
自分でも嫌になるくらい、そして自分でも自覚できるくらい、他のヴァンパイアより血が必要な身体をしていた。
だから、つい。
つい、ひとりから吸っていい血の量を越えて摂取してしまったのだ。
あの女の血が美味過ぎたのがわるい、なんてどうにもならない言い訳を心の中で吐きだす。