だが、それから人間の血、そして他のヴァンパイアの血を飲もうとしてみたが、結局美紅の時と同じように身体が彼らの血を受け入れることはなかった。
両親も心配していたが、なんとなく、自分では原因は分かっていた。
……クレハに出会ったからだ。
彼女の血を飲みながら、もう二度と彼女以外には触れたくないと。
彼女以外の血など欲しくないと。
何度そんなことを思ったことかわからない。
いつのまにかその思いは体質を変えるまでになっていたのだ。
人間界から帰ってきて2週間。
クレハのいない故郷は、なんとも味気ない。
随分と満足に血液を摂取していないせいで、身体もだるく、重い。
「……クレハ」
……会いたい。