「ありがとう。りんさん! 今日早速、行こうよ!」


「悪い。俺は休日出勤だからりん、綾と一緒に行ってくれるか?」


「勿論! 綾ちゃん、御飯食べたら駅前のペットショップへ行きましょう!」


「はぁーい!」


唯一の味方が出来る。それだけで心が躍った。


感情のボーダーラインを越えず、ギリギリの良心を残せる物が欲しかったのかも知れない。


「俺そろそろ行くわ。夜は、なるべく早く帰ってくるからな」


「いってらっしゃーい! 頑張ってね! ちゅっ」


このメスは玄関まで必ず見送り、オスにキスをする。


……気持ち悪い。ケガラワシイ。


「さぁ! ちゃっちゃっと片付けちゃうね、綾ちゃん。

この家って絵画が沢山飾られていて洋風よねぇー。有名な画家さんが描いたものなの?」


「全部お父さんが描いたんだよ。知らなかったの? 昔高校の美術教師だったの。絵は良いよね。汚れを感じないから」


「……そうよね」