「お父さん、分かったよ……じゃあーお願いがあるんだけど、寂しくないように犬が欲しい。


テレビでこの前見たの。すごぉーく可愛かった! チワワって言ったかな? お願い!」


空虚感漂うこの家に、唯一の味方が欲しかった。獣じゃなく、動物が。


私は目一杯、顔の前で手の平を合わせ、懇願する演技をした。


「りん……飼っても良いか?」


「りんさん、ちゃんとお世話します! お願い!」


「私は構わないわよー可愛い綾ちゃんに頼まれたら断れないわ。それに私は専業主婦でもあるし、退屈していたの」