「ワンワン! ワンワン!」


私を嬉しそうに迎えてくれるのは、ゲームしかいないのかも知れない。寂しげな顔をすると、ゲームは頬っぺたを舐めた。


「くすぐったいよ、分かった。ありがとう」


小さな頭部を撫でてあげると、落ち着いたように伏せをした。


にっこりとゲームに笑顔を向け、鞄を机の横に置いた。早速電源ボタンを押し、パソコンを立ち上げる。せめてもの復讐、ブログをアップしなくては……。


机の引き出しを引っ張り、ガサゴソと目薬を探した。今日は涙を沢山流してしまった――眼が痛い。


まさか曜子の死までもが、私のせいにされるとは思っても見なかった。


なんともいえない胸のモヤモヤが渦を巻いた。それは悔しさや怒り、悲しみが入り混じり、なんともいえない感情だった。