眼を瞑っておねだりをした。この男は人を征服することに、快楽を持っている。私が屈服すれば喜びで一杯に違いない。


「頬に涙が流れた後があるね……そんなに苦しんでいたのかい? 

知っていた、分かっていた。だが簡単に助けてしまったら、君の為にならないだろう? 君が始めて僕を求めた時に意味があるんだ。

知っているかい? 君は人を惑わせるほどの妖艶な一面も持っているんだよ。

君を手に入れ、りんさんも手に入るのならば言うこと無しだな。 

――そんな条件の良い取引を僕と本当にするのかい?」


一瞬怯んだ。


でもクラスのやつらは許せない! 最近は教室の空気を吸うことさえも気を使う毎日だ。


――もう、耐えられない。