気付くと、ぐったりと床にしゃがみ込んでいた。ほんの数分、数秒なのだろうか? 意識が飛んでいたようだ。


ぶれが戻り、焦点が合った眼を見上げると、秋山はまだ冷酷な表情で見下ろしていた。


「ばいきーん、お前が曜子を殺したんだろ?」


立花麻美が周りに油を注ぐ。


「ひでえぇ! 俺が今度は殺されちゃうかも!」


竹下信介が怯えた振りをし、楽しんでいた。


後の声は分からない。複数の声色が私をバイ菌呼ばわりをする。


――るい。


助けを求めたかったが、その一声を飲み込んだ。虐めが増幅するのは眼に見えている。


私には誰もいない。


後頭部の激しい痛みに、また涙が溢れ出した。