鼓動がトクトクと早くなる。 


「綾。お父さんたち寝室にいるから、時間になったら寝るんだぞ」


「分ってる。おやすみ」


――もう、マジ焦るー! 心臓が飛び出るかと思った! 


少しは落ち着いたのかな、あの女。仕事の電話くらいで、なんであんなに怒るんだろう。


私には分らない。


しかも携帯が真っ二つ。私の携帯も気をつけなくっちゃ! 折られたら最悪だよ。 


「グゥーグゥー……」


――ゲームったら、イビキを掻いている! 私も、もう寝ようかな。歯を磨いて顔洗ってっと……準備をしよう。