冬は寒い日が続く。部活は中でトレーニングしかできない。私はとても楽しいとは言えない練習だが毎日参加し普通に学校生活を送っていた。
しかし、一つ物足りないこと。それは恋をしていないこと。一図になりすぎるからなのか、なかなか上手くいかない。一度も彼氏ができたこともないし、告白も去年好きだった人にされそうになったけどその時の恋は私が好きじゃなくなって何も起こらずに終わった。

あるとき部活の部長の新田明美と去年も受けた英検を受けることになった。

「明美、参考書とか買った?」
「今、古本屋で探してるとこー 見つかんなくない?」
「だよねー。本屋で買ったら高いしね…。」

「なに?お前ら英検受けんの?」
話しかけてきたのは部活で明美ともう一人の部長の相沢直だ。

「うん。そうだよー」
「何級?」
「4級。」
「あ、俺4級ならこの前受けたから参考書あるよ?貸すか?」
「まじで?ありがと!」
「明日にでも持ってくるわ」

直とは中1の時に同じクラスになったけれど、全然話したこともなかった。部活で友達と一緒に話してたって感じだった。
貸してもらったしお礼言っとかなきゃ。
直のアドレスは知ってたけどメールを送ったことは一回か二回ぐらいしかなった。

[参考書貸してくれてありがとです(*^_^*)]
[どういたしましてです(*^_^*)]
[なにその口調~ww]
[あなたの真似ですけど?w]
[そーなの?w似てないww]

[ってか早乙女ってお姫様っぽいよなw]

お姫様?そんなこと普通に言う男子に会ったことないからなのか私は一瞬心臓が止まりそうになった。そして不覚にも直のことを意識してしまうようになった。
とはいえ自分ではまだ恋したわけではないと思っている。ただちょっと意識してただけ。それから直とはメールを毎日のようにするようになっていた。直とメールしてる時は楽しい気持ちになった。