静香との最初の出会いは3日目の授業の時であった。
中3のちょうど真ん中のクラスの授業である。

年齢の割に整った顔だちと、周囲の子とは違う制服を着ている事で目立った存在であった。

と言っても、何か雰囲気が違う子だな、という程度の認識でしかなかった。


それは授業が終わって、生徒が帰る際の事だった。


「先生、その緑のカーデガン似合ってるね。」

「えっ、あ、ありがとう。」

引き込まれそうな笑顔と、真っ黒な長い髪を強烈に心に残し、静香は階段を降りていく。

誠は、3日目にして、早くも生徒を女として意識する事になった。