「比奈…ちょっといい?」
気まずそうな顔で、彩が言った。

「うん…?いいよ!」

あたしはトイレに連れてこられた。

「彩??」
「授業中泣いてた理由は、なぁに?」
「えッ!!!」

何でそれを彩が…知ってるの?
まーちゃんにだってばれなかったのに…

「言いにくい??」
「ううん…平気。」

あたしは全てを彩に話した。
彩は一つため息をついて、こう言った。

「馬鹿じゃない!?彼女なんてデマに決まってる!それに、ライバルがいたって頑張らないといけないでしょ!!」
「うん…」

「何!?フラれるとでも思った!?フラれたって好きなら好きでいいじゃない?」
「…あやぁ…ッ…グス…」
「比奈ッ…キツイ口調で喋ってごめんね…」

あたしは何も言えずただ、首を横に振るだけだった。

キーンコーンカーンコーン…

「やばぁ!次体育じゃない!」

二人は急いで着替え、外に出た。