「お母さん!早くして!!」
「はいはい…」

ガチャ。
いつもと変わらない、外の景色。畑だらけの景色もいつもより輝いていた。
今日、晴れて良かった!

いつもとは、違う今日。もう味わえない朝。中学校の入学式なんて一度きり。

あたしは、お母さんの車に乗って、中学校へ向かった。道には、あたしと同じような、中学一年生がたくさんいた。
「仲間だぁ…」
一人でポツリと呟いていると、中学校に着いてしまった。
「着いたから、下りていいよ。」
あたしは、車から降りると、走った。
「おはよう!」
中学校の先生が門の前にいた。
「おはようございます!!」
あたしは、ドキドキしながら挨拶をした。
「ひーなーぁ!」
「あ、梨沙ちゃん!」
梨沙ちゃんは、あたしのお姉ちゃんの友達で、いつもあたしに良くしてくれた。
梨沙ちゃんは、あたしに向かって走ってきて、抱き着いてくれた。
「同じ中学校やで!?」
「そうだよ!梨沙ちゃんは、梨沙先輩になるんだね!敬語だよ!?」
「いや〜!敬語はええわあ…。気持ち悪っ!」
あたしも、ついに中学生かぁ…ってしみじみ感じていると、お姉ちゃんが来た。
「真里〜!比奈が来たで!」
「梨沙、うるさいよ…興奮しすぎ。」

−ただいまより、武道場前にて、クラス発表を行います−