「あ、あの……」 何で、そんな顔してるのに出ていくんですか… 何かを我慢してるように見えるのは私だけ……? 「……また学校でな」 先輩は軽々と鞄を持ち上げると、静かに部屋を出ていった。 ───え。 私、何も聞けてないのに…… 何も言えてないのに…… 「先輩!」 部屋を飛び出したころにはもちろん、先輩はそこにいなくて。 玄関へ走ってドアを開ける。