思わず俯いて、言葉に詰まる。 こんなに好きにならしておいて、出ていっちゃうなんて。 やっぱり先輩に告白なんてしなくてよかった。 「……楽しかったよ」 そんな言葉と共に、私の頭に先輩の大きな手が置かれた。 ぽんぽん、と一定のリズムで私の頭を撫でる。 「短い間だったけど、胡桃と暮らせてよかった」 「………」 私はぐっと唇を噛み締める。