「……荷物はまとめてあるんだ」


先輩を追って部屋へ入ると、部屋の中央に大きな鞄があった。


部屋が、先輩が初めて来た時みたいに綺麗になってる……



「な、何で……」


上手く言葉を紡げない私に、先輩は苦笑いをこぼした。



「実は里華のところに行かなきゃいけねぇんだ」


お姉さんのところに……?


行かないで、って……咄嗟に言おうとした自分に驚く。


───私、こんなにも……先輩が好きなんだ。