手で顔を覆っているせいで、先輩の表情が見えない。


『ダメだ』ってなに……?



キスされる寸前、決めてたんだ。


───もしキスされたら告白するって。


なんて、もうしなくてよくなったけど……



「俺、もう胡桃ん家にいられなくなった」



───え?


突然、なに?


まだ10日経ってないよ……?



何も言えずに立ち尽くしていると先輩が靴を脱いで家へ入った。