───キス。 突如、頭の中に現れた言葉。 まさかまたキスされるわけないでしょ、って考えてみるけど。 私の夢見がちな脳内ではキス以外考えられない。 いや、当たってるかも。 もう、唇が触れちゃう───…! 「───ダメだ」 さっきまでの距離がウソのように先輩との距離が開く。 私は瞑っていた目を、ゆっくりと開いた。