「光希くんは……心優とお付き合いしていた人よ…」


紫苑の後ろから姿を現した心優の母さんがそう言った。


「え……?嘘でしょ…?大島先生、が…心優お姉ちゃんと……?」

「嘘じゃない、本当よ。心優が中学2年生の頃から付き合ってた人。そして……心優のこと、最後まで愛してくれた人よ…」


優しく紫苑に語りかける心優の母さん。


紫苑はまだ状況を理解してないのか、あたふたと必死に何かを考えている。


でもしばらく考えて、自分の中で何かが分かったのだろう。


紫苑は俺を見上げると、こう言った。


「先生は……お姉ちゃんのこと、好きでしたか…?」


心配そうに、でも真剣に俺を見つめる瞳。