「き、木崎くん…!」
「…んっ…?あ…?」
「委員会終わりました」
「……マジ?」
「はい」
俺はどうやら1時間くらい寝ていたらしい。
こんなの来ても来なくても変わらなかったじゃん、俺。
「清ちゃん」
「…えっ!?」
「あれ?名前違った?」
「い、いえ…合ってます」
…だよな。
聖也から教えて貰ったんだし。
100%間違えないからな、あいつ。
「帰ろーか」
「…え?い、一緒に帰っていいんですか?」
「うん。…つかもう暗いのに1人で帰らせるほど俺バカじゃねぇし」
「き…さき…くん」
「さ、行くよ清ちゃん」
「…はいっ」
朝よりも噛まなくなったな。
…少しは緊張しなくなったか?
なんか…沙耶に似てて笑える。
「あのっ…」
「んー」
「さ、沙耶ちゃん」
「沙耶がどうした?」
「お礼…言いたいんです」
「お礼?」
つか…沙耶だけ名前よびなんだな。
お礼って沙耶なんかしたんだ?
「あたし…男の人に絡まれてる時に…助けてもらって…」
「……はぁぁぁあ!?」
「っ!?」
ビクッと体を震わせた清ちゃん。
…反応も沙耶と似てる。
つか“男の人に絡まれてる時”だと?
沙耶は何やってんだよ。
バカなのか?
これだから無自覚は…。
「沙耶ちゃんって…自覚ないんですか?」
「ねぇな」
「そうなんですか。沙耶ちゃん来るとき教えて下さいっ」
「あ、おう」
「じゃあここなんでまた」
「じゃーな、また明日」
「…はいっ//」
沙耶に…手紙かいてやるか。
あいつめ…。