「蒼斗くぅーん♪」
沙耶がアメリカに行った日から女共が来る。
はっきり言って、
超うぜぇ……。
「朝からゲッソリしてんな、蒼斗!」
ケラケラ笑いながら、俺の肩を叩く聖也。
……ゲッソリするよ。
こんなん…地獄。
沙耶以外興味ねぇのに。
「まぁあと半年の我慢だって!」
「半年?…ふざけんな。」
「蒼斗も我慢出来ないからお子ちゃまよね」
結愛と小夜に文句を言われる。
こんな日々も…慣れた。
でもまだ…沙耶が隣にいないのは慣れない。
沙耶…早く来い。
「き、木崎くんっ!」
「…なに」
「…えっ…とお…」
「用ねぇなら…」
「あたしが藍田さんの代わりに委員長になりました!今日委員会あるので来てください!そ、それじゃ!」
…な、なんだ?
あんな早口で言わなくても。
「ちょっと!蒼斗が急かすから!」
「俺のせいなのか?結愛」
「当たり前!!」
「…つかあいつ誰」
「ホントに女の名前覚えねーな。あの子は、清ちゃん」
「き、清?」
「きーよーちゃん!わかったか!?」
「わかったっつの」
「あいっかわらず女の子の名前は覚えてるのね」
キッと聖也を睨む結愛。
「当たり前だろ。」
シレッと言う聖也。
…ホントに結愛可哀想だよな。
聖也も聖也だな。
「あっ、翔大♪」
「あ、小夜」
「…三野」
「木崎おはよ」
「…はよ。」
「翔大、清ちゃん知ってるよね?」
「あー…4番目にカワイーやつ?」
「そ!」
4番目なんかあったのか?
1位は沙耶。
これは絶対。
2位は結愛。
これも絶対。
3位は小夜。
これも変わらない。
4…って微妙じゃね?
ないほうがよくね?
「清ちゃんってたしかー、蒼斗好きなんだよな!」
「「「「はっ!?」」」」
「なんで知ってるの、聖也」
「んー?女子からー」
「わかった。もういい」
「さっすが結愛!俺の彼女♪」
「せ、聖也//!?」
急に後ろから結愛を抱き締める聖也。
…今、ダメージでかい。
俺は沙耶に触れられねぇんだっつーの。
「…俺の彼女…見てんじゃねーよ」
「……聖也っ…?」
いつもの聖也はどこにもいない。
…こっわ。