「沙耶泣いた?」
「へっ…な、泣いてないよ?」
「…嘘だな」
沙耶は嘘ついたり図星をつかれると噛む癖がある。
…わかりやすい。
「なにがあった?」
「…蒼のくれた星が嬉しくて…」
「はぁ?んなもん…いくらでもやるよ」
「…ううん…これでいい」
「なぁ沙耶」
「うん…?」
なぁなんでだろ。
さっきから胸騒ぎが止まない。
…不安が取り除けない。
沙耶は…本当にどこも行かねぇんだよな?
「…どこも…行かねぇよな?」
「…行かないよ?」
「だ、だよな!側にいるって約束したしな」
「…っうん!」
何を不安になってんだか、俺は。
バカだよな…俺は。
「さっ、ケーキ食べよ?」
「うん!」
「チーズケーキじゃん」
「今年は聖也の好きなケーキにしましたっ」
「さすが沙耶!いい嫁になる!いっそ俺が貰おう!」
「聖也にはもう結愛が居るでしょ?」
「ちょっ…沙耶!?」
「だな!」
「せせせ聖也///!?」
普段聖也はそんな事言わないから結愛はビックリ。
…沙耶ともこんな関係になれたらいいのにな。
「なぁなぁ!」
「なんだよ、聖也」
「アメリカって治安悪そうだよなー?」
「治安?…なら沙耶に聞いたほうが早いぜ?」
「なっなんであたしなの!?あたし別にアメリカなんて行かないんだけど!」
…アメリカ。
そうか…沙耶はアメリカに行くのか。
俺に何も言わず旅立とうとしてたのか。
「…沙耶、アメリカ行くんだ」
「…へっ…ちが…!」
「お前今自爆したじゃん。アメリカなんて行かないんだけど!って」
なにバラしてんだか。
子供だよな、沙耶は。