「蒼斗、それかっけーじゃん」
「だろ?」
「どこのピアスだよ」
「知らね。…沙耶がくれたんだ、さっき」
「ふーん?…似合いすぎじゃね?お前」
「そりゃ沙耶が似合うと思って買ってきてくれたんでね」
「…結愛からの誕生日プレゼントは毎年ミサンガだぜ?」
「なんかあんじゃねぇの?」
「知らねーけど。毎年増えてくから今じゃ結構あるな」
「…いんじゃん?」
「中々切れねぇしさ」
「簡単に解けたらつまんねぇーよ」
ミサンガもいいな、なんて思った。
俺の誕生日は今年ミサンガを作ってもらうかなとか。
でも…手袋も欲しいんだよな。
「悪かったわね?ミサンガで!」
「結愛!?」
「ミサンガでも手作りなのよ!?」
「わりぃって!なんか蒼斗のピアスがかっこよくてさ」
「沙耶があげたんだからセンスいいに決まってるじゃん」
「…は、はい…」
大人しく黙る聖也。
…結愛恐るべし。
「沙耶」
「んっ?」
名前を呼んだはいいけど話がない。
…つか。
なんだか悲しげな顔。
泣いたのか…?
目が少し赤い。