「星、ほしかったんだろ?」
「…蒼っ…」
そうニコッと照れながら笑う蒼。
胸がきゅうんっとなってしまう。
…好きだなぁ。
蒼の笑顔を見るたびそう感じる。
「ありがとう、蒼」
「…沙耶」
「うん?」
「明日、本当にただ出かけるだけだよな?」
「…っ当たり前でしょ♪他になにがあるの?」
…気づかれてるのかな?
あたしが、明日ここを旅立つこと。
あたしはアメリカに…行かなくちゃ行けなくなった。
仕事の都合で…。
「だよな!なんか沙耶が変な気ぃしてよ!」
「もうっ…蒼は考えすぎ」
「わりぃ!」
もうこの笑顔を見ることも出来ないんだ。
…話すことも。
どうして…今なの?
気持ちに気づいた、今なの?
神様は…残酷だね。
「ねぇ蒼」
「ん?」
「蒼にもはい」
「…星…のピアス?」
「うん!蒼に似合いそうだから!」
「サンキュー!」
「あたしたちは離れてても側にいるね」
「?…あぁ?」
「星が、あるもん」
でもあたしが居ない間に蒼はそのピアスをどこかに置いて、
歩いて行ってしまうのかな?
隣にあたしじゃない誰かと並んで。
…嫌だ。
蒼の隣はあたしがいい。
あたしの隣も蒼がいい。
「明日沙耶はどこ行くんだ?」
「おばあちゃんのとこだよ」
「体調でも悪いのか?」
「全然!遊びに行くんだ♪」
「へぇ…つか蕾都は?」
「えっ、ら、蕾都!?」
蕾都は今、蒼夏と最後の夜を過ごしてる。
…2人はきっと遠距離しながらでも付き合うんだろうな。
幸せに、なってもらいたい。