明日はあたしの誕生日!
「沙耶プレゼントなにがいーい?」
「要らないよ!」
「だぁーめ♪」
「…け、いと…」
「毛糸?」
「うん…編み物…するから」
「また!?毎年だね」
あたしは誕生日にもらった毛糸で編み物をする。
…蒼の手袋を作るため。
今年は…気持ちを込めて。
「沙耶」
「ん?」
「俺の誕生日には沙耶のしょ…」
「聖也、黙れ」
「ひっ!?あ、蒼斗君じゃないか!」
顔を青くして蒼の肩に手を回す聖也。
…どうしたんだろ?
てゆか…聖也の誕生日にあたしのなに?
「聖也」
「ん?」
「聖也の誕生日にあたしのなに…?」
「おっつ!…も、もういいんだ…!」
「せーいや♪」
不気味なくらいに微笑んでる結愛。
「別れる?」
「ゆ、結愛!?」
「んー、別に結愛がそうしたいならする?」
な、なんて軽いの!
結愛が不憫でならない。
「じゃあそうする」
「…じゃあ沙耶」
「な、なに!?」
「お前の処女俺にちょーだい」
「…処女…?」
「てめぇ…聖也。いい加減にしろや」
「はいはい。…沙耶」
「なに?」
「結愛、よろしく」
そう切なげにあたしの耳元で囁きながら教室を出た。
…聖也は、不器用な人なのかな?
幼なじみからの恋愛もやっぱり大変なんだ。
「結愛」
「…なに?沙耶?」
「好きなら追いかけたら?」
「えっ…?」
「また幼なじみに戻るだけだよ?」
「…っ…」
「苦しい思い、したくないでしょ?」
「…さやぁ…っ…」
「素直に」
「行く…っ…!」
あたしの誕生日はまた波乱。
毎年毎年…。
事件ばっかり起きてるよ。
「沙耶、はい」
「…ほ、し…?」
「そ。星のネックレス」
1日早い、誕生日プレゼント。
今年はあたしが出掛けるから1日早く。