沙耶は男の頬にキスを一つ落とした。





「さ、沙耶ちゃんっ//!?」

「お願い…帰って?」

「はい!帰ります!おめぇら帰んぞ!」

「ずるいっすよ、リーダー」





ブツブツ文句言いながらも帰っていった。


…よ、よかったぁ。

蒼はこれで退学にならない!





「…あんたとんでもない爆弾落としたわね」

「え?なんのこと?小夜?」

「…自爆ね」

「結愛まで?」





わけわかんないよ…。

爆弾落とした?

あたし全然落としてないと思う。

そして、自爆しないと思う。






「…沙耶」




体がビクッと震えあがる。

…今の…蒼?

蒼の声のはずなのに、

いつもの優しさの欠片すら感じない冷たい声。





「どーゆーつもり?」

「…えっ…?」

「なにキスしちゃってんの」

「…蒼…?」

「来い」





グイッと手を引っ張られてあたしは教室を出る。

…蒼?

蒼が別人見たいで怖い。





「あ…おっ…」

「喋るな」

「…っ」




あたし…なんかしちゃったのかなぁ?