「ふんふふーん♪」
「小夜」
「なーに」
「…小夜」
「なに」
「小夜…」
「だからなに!?」
「やっと見た」
「…え?」
見た?
見たってなにを?
「俺の顔」
「…は、バカじゃん」
「見てくんなかった」
「み、見てたわよ!」
「見てねぇから言われんだ」
「なっ!」
言われてみればそうかもしれない。
…あたしは無意識に翔大を見てなかったかも。
み、見づらいし!
「小夜」
「ん〜?」
「気づけなくてごめん」
「だーかーらーなにも聞かないってば!」
「聞けよ、少しは」
「聞く気0」
「あのなぁ」
「興味引くような話なら聞いてあげる」
「木崎さ」
「うんうん!」
「…お前興味あんの?」
「100%ある!!」
「…俺の話は聞かない癖に」
「興味ないもん」
「ひでーな、小夜は」
ひどい?
ひどくて結構!
あたしは“ごめん”なんて聞きたくないんだから!
興味ないから聞かない!
「木崎って…沙耶ちゃんの事好きだよな?」
「当たり前じゃない」
「なぁーんで告らねぇんだろ」
「幼なじみだからでしょ」
「おっ、さすが小夜!」
「でしょ?」
幼なじみだから告えないんだよ。