「…小夜」

「あ、翔大」




放課後翔大が迎えに来た。

…あたしと翔大は幼なじみなんだ。

さっき色んな事実を暴露しちゃったから気まずい。






「〜♪〜♪」

「好きだな、その歌」

「翔大だってよく歌ってたじゃん」

「え?」

「翔大が毎日のように歌うから覚えちゃったんだよ」

「小夜…あんさ…」

「何も聞かないよ」

「……え?」





何も聞かない。

…わかってるもん。

翔大が何を言おうとしてるのかくらい。

“ゴメン”でしょ?

聞きたくないもん、そんな言葉。






「翔大」

「…ん」

「あたしね、スッキリしちゃった」

「そうか」

「ん♪」






沙耶が…受け止めてくれたから。

ありがとう、沙耶。

今までごめんね、沙耶。

これからはもう、沙耶の味方だよ。






「沙耶って可愛いね」

「え、あ…」

「言ってよ、普通に。あたしに気遣わないで」

「…小夜…」

「ね?可愛いね」

「おう…」

「可愛くないとか言うやついたらおかしいよね」

「…まぁ、な」





ねぇ翔大。

あたしまだアンタを好きなのかな。

ちょっとだけ、胸が痛くなっちゃった。