「星はね、絶対届かないからね」





フワッと儚げに微笑んだ沙耶。

最近の沙耶はどこか大人びていて…今にも消えそうで。

俺は怖いよ。






「沙耶…?」

「あたしねー星が、欲しいんだ」

「…無理じゃん、それ」

「わかってるから、切ないんだよ!もうっ、蒼は!」

「…可愛いな、沙耶は」

「もーお世辞ありがと」





そう言ってそっぽを向いた沙耶。

…なんだ?

変な、沙耶。






「星、プレゼントしてやるよ」

「…え?」

「沙耶、誕生日楽しみにしてろよ」

「…誕生日、か。うん♪」




沙耶が喜ぶならなんだってする。

星って…プラネタリウムか?

いや沙耶は寝るだろうな。

…くそ、俺無理な事言ってるよな。