「ただいまぁ…」

「お帰り、沙耶。」

「お母さん…」

「あらあら…沙耶も難しい年頃なのかしら?」





“うふふ”と笑いながら家事をするお母さん。




「蒼夏〜」

「なに、蕾くん」

「明日出掛けね?」

「うんっ」





家までピンクで見えない。

…幼なじみ、なはずなのに。





「沙耶」

「…蒼」




部屋に行けば蒼の姿。

…喧嘩したのに蒼に会いたくて堪らなかった。

あたしってば本当にどこか可笑しくしちゃったのかな?






「…三野と帰るな」

「あたしの自由でしょ」

「…嫌だから」

「蒼?」

「…なぁ沙耶。」

「なに?」

「幼なじみっていいと思う?」

「え…?」





なんで急にそんな事…。

いいに…決まってる。

“幼なじみって最高!”そうだよね?

――なんで胸が痛いの?

これから先も幼なじみは必要だよね?

……蒼。






「…いい、よ」

「…そっか」

「…蒼…?」

「俺、小夜との事ちゃんと考えてみるな」






――あたしの中の何かが壊れた。