「ふ…ぇ…」
あんな蒼見たことない。
あんなに…冷たくされた事ない。
…だからわかんなかった。
どうしたらいいか…わかんなかったよ…。
「あれ?沙耶姉…って泣いてる!?」
「蒼夏…ぁ…」
「はぁ。…ばか兄でしょ?」
「…蒼夏…」
蒼斗の妹の蒼夏ちゃん。
…あれ?
でもなんで隣に蕾都が?
し、しかも手繋いでる!?
「仲良しなのね…」
「付き合ってるからな、俺達」
「はい!?」
「あれ?沙耶姉知らなかったの!?」
「全く…って蒼は知ってるの!?」
「鋭いから、すぐバレた」
なんてあたし鈍いの!?
弟の恋愛情報すら知らないという…。
しかも蒼は知ってる!?
なんで蒼に負けてるのよ、あたし…。
自分の弟なのに。
「沙耶姉…邪魔」
「蕾都!それはないよ!沙耶姉にむかって!」
「蒼夏、俺は蒼夏と2人きりになりたいんだけど」
「へっ…//」
…目、目の前がピンクで見えない!
ピンクが邪魔して見えない!
「あ、沙耶ちゃん?」
「しょ、翔大くん!」
「…元カレ登場」
「さっ、ばか兄に伝えときますか」
そんな2人の会話はもちろん沙耶に聞こえてるはずはない。
「蕾都くんじゃん」
「ども、翔大さん。じゃ俺ら行くんで」
「蒼夏ちゃんもまた」
「はい」
い、いつの間に仲良くなったの翔大くん!?
…本当に色んな人と仲良く出来るなぁ。
うらやましい…。