「ダメだ、蒼斗」
「…だってよ」
「なんでよ、聖也!あたしだって知りたいもん!」
「下ネタだろ、ストレートの」
「沙耶は知らなくていい事なのよ」
「結愛まで!?」
どうやら自分だけ知らないみたいで気にくわないらしい。
…沙耶は知らなくていいかもな。
純粋なままで。
汚れを知らない真っ白なままで。
まだ“チューしちゃった”で赤くなる沙耶のままで。
…つかキス済み…なんだよな。
好きって自覚した途端…イラつくな。
「…あたしよく視聴覚室来るのに」
「「「はぁ!?」」」
俺らの声が部屋中に響く。
…防音だから問題なし。
「よく来るってどういう事よ、沙耶!」
「話があるって…」
「お前よく襲われてないな!」
「え?熊とかじゃないよ?人間と話…」
「「「わかってる」」」
そして俺達の盛大なため息が部屋中に響く。
…内鍵だから問題なし。
って内鍵関係ねぇか。
つか“襲う”の意味すら知らねぇのか?
もしや……
「なぁ沙耶」
「なに?」
「赤ちゃんってどうできるっけ?」
「お前ドストレートな下ネタ振ってんじゃねぇよ!」
「沙耶になにを言わせる気!?」
「もー//蒼ってば…」
…顔を赤くしてるって事は問題な……
「お、大人…なチュー…したら…できるんだよっ…///」
………は?