「沙耶ちゃん、ここ教えてもらっていいかな?」




…教室へ入るとすぐコレ。

沙耶は頭が良いから勉強を教わろうとしてるんだろうけど、

8割男、2割女っていうこの割合なんだよ。

つか…沙耶にアピろうとかあわよくば触れれるかも!

みたいな下心バレバレなんだけど。





「ここは…」




そんな下心も知らずに沙耶は律儀に教える。

に比べて野郎は下心ってか?

…ふざけんな。

つか近いんだよ、距離が!

肩が触れてんだろ!肩が!




「蒼?顔怖いよ?」

「沙耶、お前は少し男を警戒しろ」

「…どうして?」

「飢えた狼だから」

「う…飢えた狼?」





きっと伝わってない。

…そうだよ。

男はみんな飢えた狼だ。

喰いたくて喰いたくて仕方ねぇんだ。

沙耶なんて高級食材みたいなもんだ。

1度喰われたら骨の髄まで喰われるな。





「沙耶はウサギなんだよ、しかも高級」

「なにそれ?変なのー蒼」



そう微笑む沙耶。

……まさに天使!